実印を作るときに「縦書きで彫るか?」「横書きで彫るか?」と文字の向きで迷うかたもいるかと思います。
果たしてどちらで彫るのが理想なのか解説したいと思います。
実印は「縦彫り」が一般的
実印は「縦彫り」が一般的です。
実印として登録できる氏名は「フルネーム」「苗字」「下の名前」の3パターンですが、どのパターンにおいても「縦彫り」で彫っている方が大多数です。
特にフルネームの場合、全体のバランスを考えて必然的に「縦彫り」で彫られることがほとんどです。
「縦彫り」と言っても縦1行に彫られるわけではなく、右から苗字1行、名前1行の計2行の縦彫りになります。
例えば「徳川家康」という氏名を縦彫りすると、画像のように右に徳川(苗字)、左に家康(名前)という具合に縦に2行彫られることになります。
氏名が3文字だとどうなる?
氏名が漢字3文字の場合、文字全体が枠内に収まるようにデザインされます。
例えば苗字が2文字、名前が1文字だとしたら、名前1文字を縦長にし余分なスペースが空かないように配置されます。
これはフルネームが漢字3文字に関わらず、4文字や5文字などあらゆる字数においても同じです。
人によっては苗字と名前の文字数が異なるため見た目の心配をされている方もいるかと思いますが、実際にはバランスを考えてデザインされます。
「縦長だと不格好・・・」と見た目を気にするのであれば、実印に適している書体「篆書体」「印相体」なら実印っぽくて違和感がありません。
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いずれにしろ自分の意図しないデザインで仕上がってくる可能性もありますので、彫ってもらう前に一度デザインは確認した方が良いです。
実際にお店で彫ってもらった結果
これはお店で彫ってもらった実印ですが、文字のデザイン(書体)から向きまで全て職人に任せて彫ってもらいました。
気になる文字の向きはと言うとやはり「縦彫り」で彫られていました。
既製品の印鑑が「縦彫り」であるように、オーダーメイドの実印も職人が文字のバランスを考えて「縦彫り」で彫るのが主流のようです。
今回のように印鑑のプロに全て任すのも良いですし、融通の利くひとであればこちらの要望にも応えてくれるでしょう。
印鑑店によっては文字の向きを指定できたり、できなかったりするのでその辺りは事前に確認しておいた方がよいかと思います。
「横彫り」も実印として使える
「横彫り」でも実印として登録することができます。
住民登録されている氏名(フルネーム・苗字・下の名前)であれば、「横彫り」でも実印として登録することができます。
「苗字」や「下の名前」であれば文字数が少ないため「横彫り」でもバランスよく収まります。
ただフルネームの場合だと文字数が多いため、1段目に苗字、2段目に名前と横彫りの2段にデザインされます。
これではパッと見なんて彫られているか分かりずらいのも事実です。
実際フルネームの「横彫り」を使っている方なんて滅多に見かけませんよね。
それだけフルネームの「横彫り」は珍しいということです。
世間一般的には「縦彫り」が主流ですが「横彫り」でも問題ありません。
「横彫り」は右から左へ読む
印鑑業界では捺印された文字は右から左へ読むことが一般的とされています。
例えば「田中」と捺印された文字は現代風(左から右)に読むと「タナカ」ですが、先の読み方(右から左へ)に当てはめると「ナカタ」とも読むことができます。
「横彫り」にすると同じ漢字であるにも関わらず、人によっては読み方が異なるため混乱を招いてしまうことも多々あるようです。
こうした煩(わずら)わしさから注文した実印の「漢字が間違っている」などのクレームも実際にあるようです。
文字の読みやすさで言ったら上から下へ読む「縦彫り」の方がシンプルで分かりやすいのは確かです。
店舗によって「左から右へ」や「右から左へ」などの文字の向きも指定できるようですので、事前に確認しておくことをおすすめします。
女性は「横彫り」が良いと聞くが・・・。
「女性の方は横彫りのほうが運気が上がる」といった意見も聞きます。
これら意見には賛否両論あり、
開運の観点から「横彫り」を押してくる所もあれば、「何の根拠もない」と真っ向から否定している所も存在します。
これでは何が正しくて何が正しくないのか分かりませんよね。
ひとつアドバイスするとしたら本人次第ということです。
縁起を気にする方であれば積極的に取り入れるのも良いですし、まったく興味がないのであれば取り入れるべきではないでしょう。
また「シンプルに横彫りの方がデザインが好き」であれば、横彫りにするのも多いにアリだと思います。
最終的には本人の好みで決めて問題ないかと思います。
実印は「一生モノ」と言われるように何回も買い替えるものではありません。
だったら始めから自分が納得する形で購入するのが1番ではないでしょうか。
今回のおさらい
縦彫り?横彫り?
- 実印は「縦彫り」が一般的
- 「横彫り」でも登録できる
- 読みやすさで言えば「縦彫り」
- 縁起を担ぐなら「横彫り」もあり
- 最終的には本人次第