- 「代表者印に規則ってあるの?」
- 「普通の印鑑じゃ使えないの?」
会社設立には登記をしなければなりませんが、そのとき必要になる印鑑が「代表者印」です。
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会社設立(登記)に必要な代表者印とは?
「代表者印って何?」 「会社設立には印鑑が必要なの?」 会社設立には登記をしなければなりませんが、そのときに必要になってくるのが「代表者印」です。 代表者印は会社として契約するときに使われる大切な印鑑 ...
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代表者印は会社の実印として扱われ、取引先と会社として契約するときに使われる重要な印鑑です。
個人の実印に規則があるように、代表者印として使えるハンコにも規則が存在します。
何の知識も持たず作成してしまうと、条件を満たしておらず提出できなかったなんてことにもなりかねません。
今回は代表者印の作成方法についてサイズ・材質・形状・文字・書体の5つのポイントに分けて紹介したいと思います。
作成方法を5つのポイントに分けて紹介
5つのポイント
- 【サイズ】大きさは10~30mmの正方形に収まるもの
- 【形状】「天丸型」or「寸胴型」どちらでも可
- 【材質】照合に適するものでなければならない
- 【文字】印面には「会社名・屋号」と「役職名」を彫る
- 【書体】「篆書体」もしくは「吉相体」
なかでも重要なのが【サイズ】と【材質】です。
【サイズ】と【材質】に関しては、条件を満たしていなければ代表者印として提出することができませんので注意したいところです。
また、【文字】と【書体】は照合さえできれば表現は自由とされていますが、登記官によっては照合に適していないということで改印を求められる可能性もあります。
今回は代表者印として一般的に使われているサイズ、形状、材質、文字、書体を紹介したいと思います。
【ポイント1:サイズ】
代表者印として使えるハンコのサイズは、印面の大きさが10~30mmの正方形に収まるものでなければなりません。
ただ単に大きければ良いというわけではなく、代表者印として使えるハンコにはサイズが決められているのです。
上記サイズを満たしていれば「丸印」でも「角印」でも代表者印として届出することは可能ですが、一般的には丸印の「18.0mm」、会社名が長い場合は「21.0mm」で作られる方が多いです。
また会社で使う銀行印よりも一回り大きいサイズを選ぶのが一般的ですので、銀行印のサイズも考慮して選ぶのが良いかと思います。
サイズについて
- 10~30mmの正方形に収まること
- 丸印の「18.0mm」か「21.0mm」が一般的
- 銀行印よりも一回り大きいサイズを選ぶ
【ポイント2:形状】
印鑑の形状には「天丸型」と「寸胴型」がありますが、代表者印はどちらを選んでも問題ありません。
【代表者印=天丸型】というイメージが強いですが、必ずしもそうでなくてはならないわけではありません。
重要なのはポイント1で解説した印面のサイズなので、形状に関してはこれといった規則はありません。
ただ、他の印鑑と区別しやすくするために「天丸型」を好んで選んでいる方が多いようです。
値段的には天丸型の方が高めになりますので、予算に合わせて選ぶのも良いかもしれません。
形状について
- 「天丸型」か「寸胴型」どちらでも可
- 「天丸型」が好まれている
- 値段は「天丸型」の方が高め
【ポイント3:材質】
シャチハタ印や浸透印といったゴム製や合成樹脂のハンコは代表者印として使うことができません。
ゴム製や合成樹脂のハンコは印面が変形しやすく照合に適していないからです。
ハンコを押すたびに印影が変化していたら、印鑑証明書(印影の写し)と同一性が取れず実印としての効力は皆無です。
ですから印鑑の材質としては破損や変形しにくいモノが理想です。
印鑑の素材として使われている材質は大きく分けて3つです。
木材系
- 本柘(ほんつげ)
- 彩樺(さいか)
- 玄武(げんぶ)
水牛系
- 黒水牛
- オランダ水牛
チタン系
- ブラストチタン
これら材質であれば耐久性と捺印性を兼ね揃えているので代表者印としては十分な素材と言えます。
代表者印と言えば「本柘」や「黒水牛」が定番ですが、最近では耐食性、耐火性、耐水性を併せ持っている「チタン系」が人気です。
予算で選ぶのも良いですが、末永く使うことを考えたら少し値が張ってでも品質の良いモノを購入する方が多いようです。
材質について
- シャチハタや浸透印はNG
- 「本柘」「黒水牛」が定番
- 最近では「チタン系」が人気
【ポイント4:文字】
代表者印は「外枠」に会社名、「内枠」に役職名を彫るのが一般的です。
代表者印は2層構造になっており、
外枠には「・」を開始点としそこから周回するようにして「会社名」を、内枠は縦書きで「役職名」が彫られます。
【外枠】
- 法人の場合:「会社名」
- 個人事業主の場合:「屋号」
【内枠】
- 株式会社・有限会社の場合:「代表取締役印」もしくは「取締役印」
- 個人事業主の場合:「代表者印」
代表者印は会社の実印として扱われるため個人名が入ることはありません。
個人実印のような「印鑑条例」がなく文字の表現は照合ができればよいとされていますが、登記官によっては照合に適していないということで改印を求められる場合があります。
印鑑の見栄えや会社としての信頼度を上げるためにも、外枠には「会社名」内枠には「役職名」の2層構造が理想と言えます。
文字について
- 外枠に「会社名」、内枠に「役職名」が一般的
- 基本的に個人名は入らない
- 文字の表現は自由だが、登記官によっては改印を求められることも
【ポイント5:書体】
代表者印に適した書体は「篆書体(てんしょたい)」もしくは「印相体(いんそうたい)」になります。
印相体(いんそうたい)は吉相体(きっそうたい)や八方篆書(はちほうてんしょ)とも呼ばれています。
店舗によっては4~6種類の中から書体を選択することができますが、「篆書体」か「印相体」を好んで選んでいる方が多いです。
また、個人の実印にも「篆書体」か「印相体」が推奨されています。
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これら書体が選ばれる理由としては「可読性の低さ」にあります。
可読性の低い書体で彫ることによって複製がされにくく、偽造などによって悪用されるリスクを防ぐことができるからです。
書体選びは個人の自由ですが、防犯面を考慮して可読性の低い「篆書体」か「印相体」を選ぶのがベストな選択と言えます。
文字について
- 「篆書体」もしくは「印相体」が一般的
- 防犯面を考慮して可読性が低い文字が理想
代表者印を作成するならセットがお得
会社設立には代表者印の他に「銀行印」と「角印」が必要になります。
これら会社で使う印鑑のことを法人印鑑と言いますが、セットで購入することで単品購入よりも20~30%ほど安く買うことができます。
また、化粧ケースも付属で付いてくるので管理がしやすいです。
会社設立や個人事業主として開業する方におススメです。
今回のおさらい
代表者印作成のポイント
- 大きさは10~30mmの正方形に収まるモノ
- 「天丸型」「寸胴型」どちらでも可
- シャチハタや浸透印は使えない
- 文字は「会社名」と「役職名」の二層構造
- 書体は「篆書体(てんしょたい)」か「印相体(いんそうたい)」が理想